「命の言葉」失語症者の群読です 。(2月23日(金)、ゆいまぁる研修会で)

私は、東久留米市南町の、渡辺鋼と、言う者です。

脳梗塞で、失語症と右マヒに、なりました。

今、74才になった、ところです。

今日は、ゆいまぁるの研修に、呼んでいただきまして、

ありがとうございます。

 

若竹と言う、失語症者のサークルで、今日は9人で、

群読を、やりたいと思います。

その前に、ちょっと20分ほど、その説明を、

やりたいと思います。

 

私たち、失語症者は、発症で、死ぬ思いを、して来ました。

つまり、急に、言葉が、しゃべれなく、なったのです。

自分の事も、話せなく、なったのです。

それから見れば、大抵の事は、へっちらに、なります。

人生は、やり直せると、思えて来ます。

失語症には、4つほどあるようで、

 

① 口が命、しゃべってなんぼ です。

  沈黙は金、なんて、言ってられない。

  自分の事を、話すだけで、一杯一杯です。

  本当の事を、話すだけで、一杯一杯です。

 

② 一歩、一歩、やれば、できる!

  (すぐ忘れるが)

  また、やれば、できる!

  根気は、要りますが、段々、良くなります。

 

③ 失語症以外でも、悲しい事は、沢山あるが、

  楽しい事、希望のある事も、沢山あります。

  それに、気付く事が、大事だと、気付ます。

 

④ 人の話を、聞くようになる。

 

だから、

皆、自分を、持っている。

皆、感情を、持っている。

皆、他人を、思いやる気持ちを、持っている。

皆、「済まない、済まない」と、暮らしています。

 

しかし、それを、表現できないのです。

火事や震災の、情報が、よく分かりません。

手足が不自由な人が多くいます。

デイに行っても、黙って、お行儀良い人と、

思われて、1人ぽつんと、している人です。

そう言う人が、失語症者です。

 

私の経験ですが、

3年前に、南町小学校付近を、散歩している時、

運転の人に、「このボケ」と、怒鳴られて、

言葉が、出なくなりました。

体が、金縛りに、なりました。

目は、動いたので、ナンバーを、覚えました。

ひたすら、暗唱して、ブツブツブツブツ、30分ほど、唱えて、

家に着き、紙に番号を、書きました。

そんな事で、その人は、謝りましたが、

普通は、泣き寝入りです。

 

失語症者は、会話が、あまり出来ない人です。

でも、若竹では、しょっちゅう、近況報告を、やります。

私が、詩を作る時は、その時、耳を済ませて、聞きます。

何回も、書き直し、

本人にも、家族にも、聞き取りもして、

詩を、完成させます。

私は、脳梗塞の、打ち処が、良かったと、思っています。

この役は、私に、向いていると、思っています。

 

今、私は、話しているけど、これは、朗読です。

つまり、原稿を、何回も書き直し、読んでいるのです。

会話になると、途端に、言葉が、出なくなります。

会話が、出来るように、群読を、やっているのです。

 

では、8人にも、登場して貰います。

 

詩の群読

 

 自己紹介

 

自己紹介に

立ったたけで

急に 涙が止まらない

失語症者が

こんなにいる

緊張しているのに うれしい

 

分かる 分かる

分かっている

皆そうさ 皆そうさ

言葉に ならない

必死の 言葉

 

 

 じれったい

 

49才で 脳出血

それから もう3年

じれったい

じれったい じれったい

失語症と 右マヒ

 

まだ 若いんだ

何年 掛かっても

治したい

皆と 旅行したい

母を 安心させたい

 

 

 働くっていい

 

8年前の 脳梗塞

必死の リハビリで

失語症も マヒも

気に ならなくなった

介護の 資格を 取り

また 働き始めた

 

昨年 再発したが

軽度だったから

また 働き始めた

貴方しか やれないと

利用者さんが 言う

働くって やっぱりいい

 

 

 爪

 

ケンカしてる時は

爪が 伸びたら 休戦

左ばさみが あらば

右は とうかなっても

左は 切って貰うしかない

 

妻が 不機嫌になると

私は びくびくする

ケンカは いつも負ける

原因も 良く分からない

失語症には 絶対無理

 

 

 新しい力

 

14前の クモマッカ

何日も 死の底を さまよい

家族も 親戚も 覚悟した

食事も 掃除も 買い物も

夫が 全部 やってくれた

 

去年からの 夫の病気

私が 食事を 作る

炊飯器も 自分で買った

自転車も スイスイ乗る

新しい力

新しい77才

万歳

 

 

(群読の後に)

① 群読は、5月から、新しい詩で、やります。

  また、会える日を、楽しみに、しています。

 

② 「失語症の詩」の本が、出来ました。

  若竹の事も、群読の事も、

  散歩中に、「このボケ」と言われて、言葉が出なかった事も、

  書いてあります。

  普通の、本屋でも、1冊1,400円で、売っていますが、

  若竹で買うと、若竹に、270円の活動費が、入りますので、

  よろしくお願いします。